#ポジワカ女子・A子さんの悩み#ポジワカ女子のA子さんは、ふうっと大きくため息をついてしまいました。 「お客さま、何か深い悩みがあるとお見受けしました。よかったら、ご相談に乗りますよ」 声をかけられて、A子さんははっと振り返りました。 ここは、夢文房具堂の中。A子さんの後ろには、店員のC子さん。 「あの……」 A子さんは勤続10年目にして、新人Dくんの教育係を、E課長からおおせつかっていました。が、E課長とDくんの狭間で、A子さんは苦労の連続の日々を送っているのでした。 「苦労の連続、とは具体的にどういったことでしょうか」 「ええっと、E課長への報告会として会議室を抑えた時間が伝わってなくて。1週間延期になっちゃいました。それをDくんに伝えたはずが聞いてない、っていわれるし。それから、わたしが遅いランチで、みんなと時間をずらしたら、どこに行ってたんだって課長が。わたしはランチを食べる権利もないんでしょうか……」 A子さんは、店員C子さんに吐き出してしまうと、涙目になってしまいました。 「わかりました。では、これを使ってください。使い方をレクチャーいたします」 そう言って、店員C子さんが取り出したのは、リンゴの形をしたふせんでした。 連絡の手段としてのふせん「E課長 木曜11:00〜11:30 Dくんの報告会です A子」 これでよし、と、A子さんはE課長のデスクに、リンゴの形のふせんを貼りました。 E課長が不在でも、報告会の連絡ができます。 報告会は、Dくんにも出席してもらうので、Dくんにも連絡が必要です。 リンゴのふせんを持ってDくんのデスクの前に立ったA子さんは、呆然としました。 「……ふせんをどこに貼ったらいいの? これ」 Dくんのデスクの上は、メモや取引先の方の名刺、見積書、申請書、社内旅行のチラシ、などとにかく紙が散乱していたのです。ここにリンゴのふせんを貼っても、目立たないどころか気がついてもらえそうにありません。 「あ、もうひとつ、ふせん、買ってきたんだっけ」 A子さんは、白い方眼の立てるタイプのふせんを取り出し、 「Dくん 木曜11:00〜11:30 E課長と報告会です。よろしくね! A子」 と書き、デスクに立てたのでした。 ![]() 「ランチいってます。14時戻り A子」 A子さんは、自分のデスクにリンゴのふせんを貼って、席を立ちました。 今日のランチは駅前のカフェでローストビーフサンドにしよう、と、決めて。 ひと言添えてさらに活躍するふせんリンゴの付箋を使い始めてから、A子さんは仕事が楽しくなりました。 もっとふせんを使っちゃおう、と、E課長へ提出する書類にもひと言添えてみました。 「E課長おつかれさまです。M社見積書です。 A子」 ![]() M社はボールペンを納入する会社で、新規取引先の候補です。 A子さんは、M社のボールペンが好きなので応援したい気持ちがあります。 「A子さん、M社、いいじゃないか」 見積書をみたE課長からすんなりゴーサインが出ました。 A子さんがふせんを使い始めると、Dくんもふせんを使い始めました。 「自分は、クローバーの形にします」 Dくんも、A子さんのように連絡事項がメインでしたが、だんだん違ったことも書いてくるようになりました。 「A子先輩 報告会を月1回にするのはどうですか? D」 「A子先輩 承認印ってもっとすくなくしたいです。 D」 「A子先輩 来週のランチは3丁目のパスタ いきましょう D」 ![]() E課長の課では、ふせんを使ってコミュニケーションをとっている、と、他の課から見に来る人もいました。ふせんの活用が広がってきているのです。 ただ、Dくん、実はA子さんへのふせんにだけ、アイデアやランチのお誘いまで書いているのです。そこにA子さんは気がついているのでしょうか。 #ポジワカ女子・A子さんのこれから「お客さま。いがかでしょう」 声をかけられて、A子さんははっと振り返りました。 ここは、夢文房具堂の中。A子さんの後ろには、店員のC子さん。 ……今のは、何だったんだろう? 「あの、ふせんの使い方を教えてくださってありがとうございます。これとこれ、買います」 「ありがとうございます」 A子さんは、社内のみんながふせんを使って仕事をすれば楽しくなる。と、確信して夢文房具堂を後にしました。 店先で店員のC子さんが、笑顔で見送ってくれました。 |
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